会社の信頼性
派遣会社が信頼できる会社なのかどうかを判断するために、下記の項目を確認しましょう。
派遣事業の許可・届出を行っているか
まずは、その会社が一般労働者派遣業の許可を受けているかどうかをしっかりと確認しましょう。多くの派遣会社では、自社ホームページ内の会社概要ページに派遣業の「事業許可番号」を掲載しています。
事業許可番号とは、「般〇〇-〇〇〇〇〇〇」という形で記載されている番号です。この事業許可番号は一般労働者派遣業の許可を受けていることを示す番号になりますので、この番号を明記している会社であれば、厚生労働省の許可を受け、労働者派遣法に基づいて事業を展開していることが分かります。
また、番号が明記されていない場合には、厚生労働省が提供している「人材総合ネット」で、事業者名を検索してみてください。
ここに掲載されていない派遣会社は、許可を受けずに人材派遣事業を展開していることになります。
資本金
資本金は、企業としての与信力や経営の安定性を測るための指標の一つとなります。大手企業の場合であれば問題はありませんが、中小規模の派遣会社に登録する場合、資本金がどの程度あるかも確認しておきましょう。
人材派遣業の許可を受けるためには、最低でも資本金1,000万円以上であることが義務付けられています。
これは、派遣会社はたとえ派遣先企業からの入金がなかったとしても、派遣スタッフに対する給料は支払うことを義務付けられている点、派遣先企業からの入金のタイミング(翌々月末支払など)によっては、入金よりも先に派遣スタッフへの支払い対応をする必要が出てくるため、ある程度軍資金がないとキャッシュフローが悪化し、経営リスクが高まる点などが考慮されています。
就業後に給与未払いなどのトラブルが起こらないよう、その企業の財務体力を測る指標として、資本金はチェックしておきましょう。
経営陣の経歴
中小・ベンチャー企業の人材派遣会社の場合は、経営陣がもともと人材派遣業界出身者であることがほとんどです。
そのため、経営陣の略歴を見ることで、その会社のサービス品質やサービスの中身、目指したい方向性、社風などがある程度想定することができます。
沿革
その会社の沿革について知っておくことも有効です。創業から現在に至るまで、どの程度の期間、人材派遣業を展開してきたのか、どのように事業を拡大してきたのか、その間にどのようなトラブルがあったのか、など、その派遣会社の過去を知っておくことで、今後も問題なく派遣事業を展開していける会社かどうかを判断する手助けとなります。
特に派遣会社は派遣先企業や派遣スタッフとのトラブルが絶えない企業とそうではない企業に大きく二分されます。
過去のトラブル事例などについてはホームページ上の沿革だけを見ていても分かりませんので、検索エンジンなどで自ら積極的に情報収集してみましょう。
業績
その会社の業績についても把握しておきましょう。上場している派遣会社や大手の派遣会社であれば業績を公開していますので、確認するようにしましょう。
中小企業やベンチャー企業などは、自社のホームページ上で売上高などを公開しているケースはあまり多くありませんが、その会社が出稿している求人媒体の会社概要などを見ると、売上高や経常利益などを記載しているケースがあります。
「企業名 求人」などで検索し、求人サイトのページを探してみるのも一つの手です。
2009年のリーマンショックの場合にも、多くの派遣会社が倒産に追い込まれました。
企業は業績が悪化するとまずは派遣社員のコストカットから始めます。正社員はいくら業績が悪化しても簡単に解雇することはできませんが、派遣社員の場合には契約期間が終了すれば更新しない、という選択肢をとることができるからです。
そのため、派遣会社は人材業界の中でももっとも早く不況のあおりを受けやすく、景気に影響されやすい会社だと言えます。
加えて、人材派遣業は人材紹介業などとは異なり、非常に薄利なビジネスモデルなので、特に中小規模の事業者の場合、売上が滞るとすぐに経営の危機に陥ってしまうリスクが高いのです。
登録している派遣会社の業績が悪化すれば給与未払いなどの問題に発展しかねませんし、そもそも業績が悪いということは、サービス品質やサービス提供体制に何らかの問題を抱えているということの裏返しでもあります。
会社の信頼性を確認する上で業績はもっとも重要な指標の一つですので、ぜひ確認するようにしてください。