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大手資本系派遣会社

大手資本系派遣会社とは、人材派遣業以外の事業を中核とする会社が立ち上げた派遣会社のことを指し、その多くは親会社の100%子会社となっています。

独立系派遣会社が人材派遣業を中心として事業拡大をしていったのとは対照的に、大手資本系派遣会社の場合、人材派遣ビジネス市場への新規参入という意味合いだけではなく、自社グループ企業への人材調達、人材採用を最適化し、本業を人材面からサポートすることを主たる目的として設立された会社も多く存在しています。

また、2007年にリクルートに買収されたスタッフサービスのように、もともとは独立系派遣会社だった企業が大手企業に買収され、傘下に入ったことで大手資本系派遣会社となっているケースもあります。

大手資本系派遣会社の特徴

大手資本系派遣会社は、派遣先企業の構成から、大きく分けて下記の2つに分類することができます。

  • 自社グループ企業以外への人材派遣も積極的に展開している企業
  • 自社グループ企業への人材派遣を主たる収益源としている企業

前者の場合は、親会社と資本関係があるグループ企業だけではなく、独立系の派遣会社と同様に全く自社と関係がない企業の新規開拓も積極的に行っており、純粋に人材派遣業界の中でシェアを拡大するべく事業を展開しています。

逆に後者の場合は、人材派遣事業自体の積極的な拡大は目指していません。むしろ目的は別のところにあります。

グループ企業内で採用ニーズが発生した際、自社と関係がない外部の人材派遣会社に依頼すると、派遣費用はそのままコストとして計上されて終わりです。

しかし、グループ内に派遣会社を持ち、その会社に人材をプールしておけば、グループ企業の人員計画が柔軟に立てられるようになるだけではなく、グループ企業間で人材派遣を依頼することで、グループ全体の売上高の向上にもつながるのです。

最近では、後者のパターンの大手資本系人材派遣会社のなかにも、グループ企業への人材派遣だけでは先行きが厳しいと考え、新規に顧客を開拓しようと専門の営業部隊を作り始めている企業なども増え始めています。

代表的な大手資本系の派遣会社

代表的な大手資本系の派遣会社としては、下記の会社が挙げられます。

  • パナソニックエクセルスタッフ株式会社(パナソニックグループ)
  • 株式会社リクルートスタッフィング(元独立系→現リクルートグループ)
  • キャプラン株式会社(元伊藤忠グループ→現パソナグループ)
  • 株式会社アヴァンティスタッフ(丸紅グループ・みずほグループ)
  • 株式会社メイツ(三菱商事グループ)
  • 株式会社三井物産ヒューマンリソース(三井物産グループ)
  • 株式会社電通ヒューマンリソース(電通グループ)
  • 株式会社センチュリーアンドカンパニー(高島屋グループ)

リクルートスタッフィング社やキャプラン社などは、自社グループ企業以外にも豊富な顧客構成があり、人材派遣市場で一定の存在感を持ち続けています。

また、キャプラン株式会社は、元々は伊藤忠グループの人材派遣会社でしたが、その後2009年10月にはJALグループの人材派遣会社、JALビジネス社、同グループの研修会社、JALアカデミー者と経営統合し、伊藤忠グループ・JALグループの人材派遣会社となりました。

そして2012年3月には、人材派遣大手のパソナグループの100%子会社となり、現在ではパソナグループの傘下となっています。

逆に、電通ヒューマンリソース社やセンチュリーアンドカンパニー社などは、基本的にグループ企業に対する人材派遣がメインとなっています。

商社や金融機関、百貨店、メーカーなどの大手企業グループでは多くの企業が自社グループ内に派遣会社を持っていますが、そのほとんどは自社グループ内への人材派遣をメインとして展開しています。

そのため、特定の企業に就職したい場合などは、その企業グループの派遣会社に登録するのが一番の近道と言えそうです。

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