インハウス型派遣会社
インハウス型派遣会社とは、大手資本系派遣会社の中でも特に自社グループ企業への人材派遣をメインとして展開している派遣会社のことを指します。
派遣先のほとんどがグループ企業であり、グループの人材を外部調達ではなく内部から調達しようとする大手企業が自社グループのために設立した人材派遣会社となります。
インハウス型派遣会社のメリット・デメリット
ここでは、インハウス型派遣会社のメリットとデメリットについて説明していきます。
インハウス型派遣会社のメリット
インハウス型派遣会社のメリットとしては、下記が挙げられます。
- 大手企業グループの求人に応募ができる
- 紹介先が限定されているため、希望とマッチさせやすい
インハウス型派遣会社のメリットとしては、登録した段階である程度派遣先が限定されているという点が挙げられます。
大手商社や金融機関、メーカー、百貨店、航空会社、インフラ会社などは自社のグループ全体で人員の最適化を図るために人材派遣会社や研修会社を設立しています。
そのため、特定の企業へ勤務したいという希望がある場合には、その企業グループの派遣会社に登録をすることが一番の近道となります。
インハウス型派遣会社のデメリット
インハウス型派遣会社のデメリットとしては、下記が挙げられます。
- グループ企業の求人に限られる
- 幅広い選択肢の中から考えたい人には向かない
インハウス型派遣会社に登録する場合は、基本的にグループ企業への派遣求人がほとんどですので、幅広い選択肢の中から応募先を考えていきたい人には向いていません。
大手企業への憧れだけで大手企業グループのインハウス型派遣会社に登録してしまうと、いざ派遣された後にイメージとのギャップに苦しむケースもあります。
大手企業ではたくさんの派遣社員が働いていますので、派遣社員同士の人間関係に気を使わなければいけません。
そうした人間関係の煩わしさが嫌で、それよりも自分一人しか派遣社員がいないような中小企業のほうが自分には合っていると考える方もいるのです。
また、いくら大手の資本が入っているとはいえども、中核となる事業会社ではなく数多くある関連会社の中の一つが派遣先となる場合などもあります。
こうした場合でも、「大手企業 = 綺麗で大きいオフィスで働ける」といったイメージ先行型の方の場合、やはり就業後にギャップに苦しむこともあるかもしれません。
派遣法改正によるグループ企業派遣の8割規制
平成24年10月1日から施行されている改正派遣法においては、上記のようなインハウス型派遣会社に対して「グループ企業派遣の8割規制」という新たな規制が設けられました。
「グループ企業派遣の8割規制」とは、派遣会社と同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占めるような場合は、派遣会社が本来果たすべき労働力需給調整機能としての役割が果たされないため、派遣会社がそのグループ企業に派遣する割合は全体の8割以下に制限される、という新たな規制です。
この規制により、今後はインハウス型派遣会社もグループ企業外の求人が増えていくことが予想されますので、インハウス型派遣会社に登録しても、求人の選択肢は広がっていくことが予想されます。